民事再生は、経営危機に直面している会社や個人事業主が、裁判所の関与のもとで既存の負債をカットすることで事業の継続と再建を図る手続きです。
会社・事業を再建・再生するための手続きである点が、破産手続きとは異なります。
民事再生すると、事業を継続できるので、顧客に迷惑がかからないうえ、従業員の雇用・生活を守ることができます。
また、債権者にしてみても、会社や事業主が破産する場合よりも最終的に回収できる金額が多くなる可能性が高く、取引先であれば取引も維持されるため、破産の場合に比べて損害が抑えられる可能性があります。
ただし、民事再生では会社・個人事業主が事業を継続しながら債権者に減額された負債を返済していくことが前提になるので、債権者の協力さえ得られれば、会社を再建できる状況にあることが必要です。
少なくとも、事業から営業利益が出ている(あるいはリストラなどで近い将来に営業利益を出せる見込みがある)状況になければ、民事再生は困難です。
民事再生が可能かどうかは、会社などの経営状況や事業の見通しなどを確認してみないと判断できませんので、弁護士に一度ご相談ください。
個人事業主の方であれば、要件を充たせば、通常の民事再生よりも緩やかな再生手続きである小規模個人再生手続きを利用することも可能です。
個人事業主の方は、小規模個人再生をすることで、事業を継続しながら、大幅に減額された負債を3年から5年の期間で分割返済することが認められています(最大で負債の90%までカットすることができます)。
また、住宅ローンが残っている自宅をお持ちの場合でも、住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用すれば自宅も処分しないで手元に残しておくことができます。