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​​​飲食業者が破産する場合の注意点

飲食店(レストラン、居酒屋、キャバクラ、ラウンジなど)は店舗物件を賃借して事業を営んでいる場合が多数です。入居の際に改装を施しているケースも多いでしょう。

そのため飲食店が破産する場合には、大家(賃貸人)に事業用の賃借物件をスムーズに明け渡せるかどうかが大きな関心事になります。

この記事では飲食業者が破産する場合の注意点をお伝えしますので、破産を検討されている飲食店関係者の方は参考にしてください。

飲食店(レストラン、居酒屋、キャバクラ、ラウンジなど)は店舗物件を賃借して事業を営んでいる場合が多数です。入居の際に改装を施しているケースも多いでしょう。
そのため飲食店が破産する場合には、大家(賃貸人)に事業用の賃借物件をスムーズに明け渡せるかどうかが大きな関心事になります。

この記事では飲食業者が破産する場合の注意点をお伝えしますので、破産を検討されている飲食店関係者の方は参考にしてください。

1.在庫品、生鮮品の管理

レストランや居酒屋では相当数の生鮮食品類を扱っているケースが多いでしょう。

事業を廃止するのであれば、在庫の食料品については腐敗や劣化を避けるために早期の段階で処分しなければなりません。

廃業する見込みになった時点から、在庫量を必要最小限にコントロールしましょう。保管費用や廃棄費用が発生する前に消費するか売却するなどによって対応するのが得策です。

2.賃借物件の明渡しについて、スケジュールの確認と実行

飲食店が廃業したとしても、賃借物件を明け渡さない限り賃料(あるいは賃料相当額の損害金)の支払いの負担は発生し続けます。廃業したら、できるだけ早期に大家に賃借物件を明け渡す必要があるといえます。また店舗物件を「居抜き」で借り始めた場合も、契約を解除するなら原則として原状回復を行い、スケルトンにして返還しなければいけません。

どこにどのような賃貸物件があるかを確認し、原状回復や明け渡しが可能なものから対応していきましょう。

2-1.原状回復費用について

店舗物件の原状回復には多額の費用がかかるため、原状回復費用をあらかじめ確保しておく必要があります。居抜きの状態での借受希望者がいれば、明渡し費用や原状回復費用をあまりかけずに済む可能性があるので、探してみるのもいいでしょう。

明渡しをめぐって大家との間でトラブルが生じないよう、破産前であっても原状回復費用分は確保しておいたり居抜きで借り受けたい希望者を見つけたりして、早めに明渡しを済ませましょう。

2-2.店舗物件の鍵の回収

飲食店では、店舗物件の鍵を従業員だけでなく、酒屋などの仕入業者にも預けて商品を補充させている場合があります。

そのような場合には、事業を廃止する前(営業最終日よりも前)に店舗の鍵を全て回収しておくべきです。未回収の鍵の委託先がないかを調べて、あれば早期に回収しておきましょう。

また廃業することを知った債権者によって動産類が無断で持ち去られることがないように注意してください。

3.キャッシュレス決済端末の所在の確認

キャッシュレス決済に用いる端末をクレジットカード会社などからレンタルをしている場合、廃業後にクレジットカード会社へ連絡をしたうえで返却しなければなりません。長期間使用していない端末がある場合などには、あらかじめ端末の所在を確認しておきましょう。

4.廃業後にクレジット利用代金が入金されていないか確認する

飲食業者が急に破産した場合、利用者がクレジットカードで入金した利用分が廃業後に預金口座へ入金されるケースがあります。こういった入金分も財産となって債権者への配当対象になるので、管理しておく必要があります。廃業後にもクレジットカードの利用分などが入金されていないか、預金口座のチェックを行っておきましょう。

5.フランチャイズ契約による商標使用がないか確認する

フランチャイズによって飲食店を経営していた場合、本部の商標を利用して表示していないか確認すべきです。廃業後も商標を利用した看板などが残っていると、本部から撤去工事費用などを請求されて、預託保証金から控除されてしまう可能性があるためです。

廃業前にフランチャイズ関係の商標利用をしていないか確認し、廃業とともに商標を利用していない状態にしておきましょう。

6.事業譲渡によって飲食業を継続するかどうか検討する

飲食業者が破産する場合でも、事業譲渡によって事業を継続できる可能性があります。

事業譲渡をするためにどういった対応が必要になるのか、みてみましょう。

6-1.スポンサー候補者

事業を引き継いでもらえるスポンサー候補者の存在が不可欠です。スポンサーがつかなければ事業は継続できません。破産申立前に事業に関心を持つスポンサーを見つけましょう。

6-2.取引先の理解

取引先、特に仕入先の理解を得ることが極めて重要です。

飲食業では食材の仕入れが生命線となるので、仕入先の理解を得られなければ継続は困難となります。事業譲渡後の支払いサイト(取引期間の締め日から支払期日までの期間)についても、従前と同様の条件で良いのかなど、条件を話し合って決めておく必要があります。

買掛金の未払いがある場合の注意点

買掛金の未払いがある場合、取引先は取引の継続をしぶる傾向があります。その場合、スポンサーとともに説得したり事業計画を開示したりするなどの努力が必要です。どうしても取引継続を断られる場合には、代替業者の利用も検討しましょう。

6-3.従業員の理解

飲食業では多数の従業員を雇用しているケースも少なくありません。ホールスタッフや厨房スタッフの存在が不可欠といえるでしょう。できる限り従業員の理解を得て、継続してもらえるよう対応すべきです。

破産後にスポンサー企業へ移行した後の従業員への対応など、誠実に説明を行いましょう。

あまりに早期に破産について明らかにしてしまうと、退職者が続出する可能性もあるので、破産について説明するタイミングにも注意が必要です。

6-4.リース会社の理解

飲食店内に設置されている設備はリース物件であるケースが多数です。その場合、スポンサー企業がリース物件を引き継ぎたいかどうかなどの意向を確認しなければなりません。

その上で、リース物件の引き継ぎや解約などについて、リース会社と交渉する必要があります。

6-5.賃貸人との交渉

飲食業では、店舗を賃借しているケースが多数です。事業譲渡の方法をとる場合、賃貸人とスポンサー企業との間であらためて賃貸借契約を締結しなければなりません。

そこで賃貸人との折衝が必要となります。

不動産会社によってはスポンサー企業の与信調査などに時間がかかる場合もあるので、賃貸物件の引き継ぎには十分な余裕を持って対応しましょう。

6-6.許認可の取得

事業譲渡を行っても、許認可がスポンサー企業に当然に引き継がれるわけではありません。

譲受企業側でも食品衛生法上の営業許可をとるのを忘れないようにしましょう。

7.事業継続する場合の注意点

飲食店が破産しても事業継続する場合、以下の点に注意が必要です。

7-1.事業が停止しないようにする

事業に停止期間が生じないようにしましょう。

飲食店では常連客がついているケースが多く、一度事業を停止して顧客離れが生じてしまうと元に戻すのは困難になりがちだからです。

破産会社からスポンサー企業への引き継ぎはスムーズに行い、事業に停止期間が生じないように対応しましょう。

7-2.他の債務整理手続きと比較する

破産する飲食店が事業を継続する場合、本当に破産手続きが最適かどうかについても検討すべきです。

事業を継続するタイプの倒産手続きとして法律上、民事再生や会社更生があります。民事再生をすれば事業を他社へ譲渡せず、もともとの経営者が事業を立て直すことが可能です。

自分でお店の経営を続けたい場合、民事再生の方がメリットは大きいといえるでしょう。

ただし民事再生や会社更生の予納金を用意できないなどの事情で、破産と事業譲渡の組み合わせを選択する場合もあります。申立代理人の弁護士とよく相談して、最善の方法を検討しましょう。