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東京商工リサーチがまとめた2023年上半期（1月～6月）の企業倒産状況（負債額1000万円以上）によれば、全国企業倒産は、件数が4042件（前年同期比32.0％増）、負債総額が9340億8000万円（同45.3％減）でした。

倒産件数は2年連続で前年同期を上回り、上半期では2020年同期以来、3年ぶりに4000件台に乗せています。

逆に、負債総額は、前年同期から45.3%減と大幅な減少に転じています。
もっとも、これは前年同期に超大型の倒産案件（大手自動車部品メーカーのマレリホールディングス株式会社（負債総額1兆1330億円）の民事再生法の適用申請）があったことの反動で、この点を踏まえると、負債総額レベルでも明らかな増勢傾向にあると言えます。

2023年上半期の宮城県内の企業倒産件数も76件（前年同期比52.0％増）と、2年連続で前年同期を上回り、2021年上半期（33件）と比べると、実に2.3倍にも達しています。業種別では「建設業」と「小売業」がそれぞれ25件と最も多い結果となっています。

東北6県全体での企業倒産件数も206件（前年同期比20.0％増）となっています。なお、青森県と山形県の負債総額が突出しているのは、大型の倒産案件（青森県弘前市の佐藤長（負債総額63億円）と山形県鶴岡市のトガシ技研（同56億円））が発生した影響によるものです。

こうした倒産の増加は、コロナ禍のゼロゼロ融資で倒産が抑制されていたことの反動として事前に予測されていたことで、企業の健全な新陳代謝を促す側面もあり、必ずしもマイナスばかりではありません。
足元では人手不足と物価高が続いているため、経営者としては今後の事業の継続可能性等を慎重に見極めながら舵取りしていく必要がありそうです。