事業者は従業員を解雇した日の翌日から10日以内に、雇用保険被保険者資格喪失届と離職証明書を作成して、これを公共職業安定所(ハローワーク)に提出する必要があります(この時にあわせて雇用保険適用事業所廃止届も提出しておきます)。
その後、ハローワークから事業者に離職票が交付されるので、これを解雇された従業員へ交付します。
解雇された従業員は受け取った離職票をハローワークに提出して失業保険の受給手続きをとることになるため、従業員の生活保障のためにも、廃業後速やかに離職証明書などの作成提出を行う必要があります。
事業者は、従業員を解雇した日の翌日から5日以内に、健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届を作成して、これを、従業員から回収した健康保険証と一緒に年金事務所に提出する必要があります(この時にあわせて適用事業所全喪届も提出しておきます)。
従業員のほうでは、国民健康保険への加入あるいは健康保険の任意継続の手続きをとることになります。
事業者は、従業員を解雇するのと同時に、あるいは解雇後に速やかに源泉徴収票(その年の1月1日から解雇日までのもの)を作成して交付する必要があります。
未払給料がある場合には、源泉徴収票には解雇時までの支給額と未払額の合計額を記載し、未払額及び徴収未済の税額は「支払金額」欄及び「源泉徴収税額」欄に内書で記載します。
この源泉徴収票は、従業員が確定申告をする場合や再就職先で年末調整をする場合に必要となりますので、忘れずに交付してください。
事業者は、毎月従業員に支払う給料から住民税を天引きの形で徴収し、従業員に代わって、従業員の住所地の市区町村に納税しています(特別徴収)。
しかし、事業者が従業員を解雇して廃業することで特別徴収ができなくなるため、住民税の徴収方法を普通徴収(従業員本人が市区町村に直接納税する方法)に切り替える必要があります。
そのため、事業者は廃業後速やかに各市町村へ給与所得者の異動届出書を提出しなければいけません。