債務者本人による申立てによって開始される破産手続きを自己破産といいます。
会社の破産手続では、意思決定機関である取締役全員の同意(あるいは取締役会の承認決議)を得て会社代表者が破産申立てを行うことで会社自身による破産申し立てとなり、この形での申立てが自己破産にあたります。
しかし、会社に破産原因があるにもかかわらず、一部の取締役の反対のため、破産を申し立てるために必要な取締役全員の同意(あるいは取締役会の承認決議)を得ることができない場合もあります。
また、会社の経営が危機的状況に陥っている状況では、本来会社を代表して破産を申し立てるべき代表者が行方をくらましていることもあります。
このような場合にも、いつまでも破産を申し立てることができないとなると、長期的な混乱を招きかねません。
そこで、このような場合には、取締役全員の同意などがなくても、また申立てをするのが代表者以外の取締役であっても、各取締役が独立の申立権に基づいて会社の破産を申し立てることができます。
このような申立ては、自己破産に対して、慣行上、準自己破産と呼ばれます。
準自己破産の申立ての場合には、濫用的な申立てを防ぐために、破産原因となる事実(支払不能あるいは債務超過)を疎明して破産を申し立てる必要があります。